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ハウジングジャーナリスト 本間博文氏に聞く
第14回 住宅ローン返済の“万が一”に備える保険をご紹介。
Question
夫の名義で住宅ローンを借りてマイホームを購入しようと相談しています。住宅ローンに関係する保険があると聞いたのですが、どんな内容ですか?
マンションや一戸建てなど住宅を購入する際には住宅ローンを利用するケースがほとんどです。購入する住宅にもよりますが、一般的には数千万円の住宅ローンを組み、30〜35年にわたって返済していくことになります。
この間、何も起こらず、ローンを完済できれば何の問題も起きません。ところが、返済期間中にご主人に不慮の出来事が絶対ないとも限りません。万一、ご主人が亡くなった場合には、残された家族がローンの返済を続けることになります。最愛のご主人を失った上に残ったローンの返済では苦悩は尽きません。生命保険に入っているとしても、通常の保険金額では住宅ローンの完済には至らないケースも考えられます。むしろ生命保険から受ける保険金は先々の生活の保障に残しておきたいものです。そこで住宅ローンを借りる際に検討したいのが、ローンの返済を補完する保険です。

まずは「団信」に加入
まず真っ先に検討し、是非とも加入したいのが団体信用生命保険です。通称「団信」といわれるこの保険は、ローン名義人の加入者が死亡したり、高度障害状態になって就業できなくなった場合に、残りの住宅ローンが全額弁済されるというものです。つまり、その時点で住宅ローンがなくなります。
この団信には「3大疾病特約付」もあり、3大成人病といわれる癌、急性心筋梗塞、脳卒中が原因で一定の要件に該当する場合にも、残りの住宅ローンが全額弁済されます。
弁済の対象となる高度障害の状態や3大疾病の症状には一定の条件を満たす必要がありますが、万一の際の安心感が高まります。 団信の加入は多くの民間金融機関で住宅ローン借入れの必須条件とされ、一部の民間金融機関とフラット35では任意となっています。 保険料は借入額の残高によって決まり、加入が必須となっているところは民間金融機関が負担し、フラット35などでは自己負担となります。
平成22年度中には1万1000件余の適用があり、平成23年10月末時点で約200万人が加入しているといいます。 加入が任意で、保険料が自己負担であっても万一のことを考えると、団信への加入は欠かせない条件といえるのではないでしょうか。

「団信」で保障されない場合
以上のように、万一の際に助けとなる「団信」ですが、障害や疾病の程度で保障の対象にならない場合もあります。
怪我や病気で働けなくなった場合でも住宅ローンの返済は待ってくれません。会社からの給与支給や健康保険からの傷病手当金、また障害の程度によっては障害基礎年金(国民年金)や障害厚生年金(厚生年金)を受給できる場合もありますが、長期間にわたる住宅ローンの返済と家計の両立を考えると限界があるかもしれません。
こうしたときに支えとなってくれるのが「疾病保障付住宅ローン」です。特定の疾病となって就業できない状態が一定期間以上などの所定の就業不能状態の条件を満たした場合に、「毎月のローンを保険金で返済する」か、団信と同様に「残りの住宅ローンの残債がなくなる」というものです。 多くの金融機関がこの住宅ローンを商品化しています。金融機関によって「3大疾病保障付」とか「7大疾病保障付」「8大疾病保障付」というように対象となる病気の範囲が異なるほか、加入条件、保険料の支払い額や支払い方法、保険金の支払い条件や支払い方法など保障の内容が多種多様です。 「団信」に加入するか、「疾病保障付住宅ローン」を利用するか、保障の内容や費用負担などを比較検討して、よりよい方法を選びたいものです。

「住宅ローンサポート保険」
一方、保険会社の中には、「住宅ローンサポート保険(長期就業不能所得補償保険)」を商品化しているところもあります。病気や怪我で働けなくなったときの収入の減少をカバーする保険商品です。 「団信」や「疾病保障付住宅ローン」との併用になり、新たな保険料の支払いが必要になります。保険の期間や支払い保険料、受取り月額保険金額などを設定することになります。
「団信」や「疾病保障付住宅ローン」では保障されない傷病にも適用される場合もあるので、より安心して住宅ローンを組むことが出来るのではないでしょうか。
住宅ローンの返済中に何事もないことを祈りますが、万一のことを考え、保険を検討されてはいかがでしょうか。もちろん、それによって家計がひっ迫してしまうのでは困ります。費用負担と保障の内容等をよく比較検討することが大切です。
本間博文氏プロフィール
1949年生。新潟県出身。上智大学文学部卒業。
証券雑誌月刊「株主手帳」、住宅雑誌月刊「高層住宅」編集長を歴任。現在、主にハウジングジャーナリスト、ファイナンシャルプランナーとして執筆活動中。