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夏の夜空に大きな華を咲かせ、「パッ」と消える。打上げ花火は、その一瞬の美しさを楽しむ芸術です。日本の打上げ花火が世界一精巧だと言われるわけは、幾多の先人たちの丹精が込められた伝承技術でもあるからです。そうした打上げ花火の魅力と楽しみ方について、東京・蔵前の花火問屋山懸商店の谷古宇正啓さんに伺いました。。
打ち上げ花火の伝統を守りながら時代にマッチした花火大会を
夏の風物詩といえば、何と言っても打上げ花火。毎年、全国で大小5000近くの花火大会が開催されるほど、日本人に愛されています。「現在、私たちは、打上げ花火の伝統を受け継ぎながら、時代にマッチした花火大会のプロデュースを行っています」と、谷古宇さん。花火大会実施の依頼を受けると、会場の規模や周りの環境、予算などから、条件に見合ったプログラムを検討し、事前準備や花火師の手配に携わっています。「打上げ数が3000発級のような大規模な大会では、およそ中型トラック2台分の花火や機材を積み込んで、現場まで運んで行きます。当然ですが、途中で事故のないように、細心の注意を払います」。花火玉の保管には、専用の火薬庫が設けられており、普段から厳重に管理されています。また、会場で、いざ打上げという段階においても、危険な火薬を扱う仕事だけに、安全面での配慮も重要とのこと。「花火師の安全確保のために、最近では、配電盤からの遠隔操作によって花火を打ち上げる『電気点火方式』が主流になっており、打上げの際にも防護板によって、身を守る対策をとっています」。
江戸時代の人々が見た花火はほの暗いオレンジ色
日本では、1613年、徳川家康が、英国の特使が打ち上げた花火を見たのが最初と言われています。その後、あっという間に全国に広がり、江戸では、たび重なる火災のために、花火禁止令が出るほどになりました。
いったんは禁止となってしまった江戸の打上げ花火は、1733年の「両国川開き花火」(隅田川花火大会の前身)をきっかけに復活し、以来、現在のように多くの見物客が楽しむイベントとして定着しました。
江戸時代の人々が楽しんだ花火の色は、ほの暗いオレンジ色だったといいます。明治に入り、マッチの原料である塩素酸カリウムが輸入されると、ストロンチウムやナトリウム、銅、バリウムといった金属化合物が燃やせるようになり、赤、黄、緑、青などの鮮やかな色が出せるようになったのです。
花火職人の技に裏付けられた打ち上げ花火の美と形
ひと口に打上げ花火と言っても、上空で開く形の違いによって、いくつかの種類があるようです。
「花火には大きく分けて、花が開いた時の花弁を表す『星』が、菊の花のようにきれいな球形を描く『割物』と呼ばれるものと、花火玉が上空で二つに開き、中から『星』や細工を放出する『ポカ物』、八方に小さな『星』を放出する『小割物』の3種類があります。特に、大きく菊花を咲かせる日本の『割物』は、世界で最も精巧な花火と言われています」。
「割物」は、打ち上がると同時に導火線に火が入り、導火線の火が火薬に到着すると破裂して、その火が「星」に引火してきれいな色を出す仕組みです。
「割物」の中で、最もポピュラーなものに「菊」と「牡丹」があります。「菊」は、破裂した中心から光の尾を引きながら開き、先の方で色が変化するもので、「牡丹」は中心から色星が尾を引かずに飛んでいくものです。「菊」の中でも、「星」の燃える速度が遅く、光の尾が垂れ下がるものが「冠菊」と言われています。また、「星」が発する光が太く椰子の葉に見える「椰子」も、「割物」の分類に入ります。
「ポカ物」には、小さい玉を入れた「小花」、不規則に飛んでいく「蜂」、一か所から左右に星が飛ぶ「分砲」などの種類があります。「小割物」は、火薬の量が「割物」より少なく、「ポカ物」より多いことが特徴で、「千輪菊」、「花園」、「百花園」とも呼びます。
時代とともに進化する花火の形とおもしろさ
「さらに、最近では、具体的な物の形を描く『型物』という種類があります。例えば、『UFO』、『土星』、『蝶々』、『麦わら帽子』など、大きな花火大会では、必ず見かける種類ですが、この『型物』は鑑賞する方向によって、その形に見えないことが弱点です。この他にも、今まで見たことのない花火と出会うチャンスがあるかもしれません。これは、花火師たちが、技術を競うために、常に新たな創意工夫を重ねているからです。花火に現れるそれぞれの花火職人の個性、独自性や芸術性を楽しむことも、花火大会の醍醐味ともなっています」。
花火を彩る「星」の色に関しては、何種類くらいがあるのでしょうか?
「現在では基本的に7種類ありまして、紅、緑、青、黄色、紫、銀、金ですが、最近、この他にピンクや黄緑色といった中間色も出てきています。点滅するものまでを含めると、実に多彩です」。
近すぎず、風上を選ぶことが花火鑑賞のポイント
花火見物を満喫するためには、その日の風向きと、花火との距離も考慮に入れる必要があるようです。
まずは、風上を選ぶこと。風下にいると煙が花火の手前に来てしまい、肝心の花火が見えにくい、ということになりかねませんので、会場に着いたら、すぐにチェックする必要があります。
それでは、花火との距離については?
「打上げ現場に近いほど、迫力は満点ですが、長時間の鑑賞で首が痛くなるなどのマイナス点もあるので気をつけた方がいいですね。また、近すぎるとせっかくの花火の形がよくわからない場合もあります。打ち上げる場所から、およそ400〜500m離れた辺りが、花火の形をもっとも美しく観賞できる目安となります」。
また、人通りの頻繁な通路や道路、駐車場、夜店、仮設トイレ、強力な仮設照明灯の近くなどは避けたほうがよいようです。
涼しい夜風に吹かれながら、ダイナミックな打上げ花火が織り成す光のコラボレーションを楽しむために、さあ、花火大会へ出かけましょう。
夏祭りイベントとしてマンションでの花火大会を
最近では、町内会やマンションなどの夏祭りイベントのプログラムとして、打上げ花火の依頼を受けるケースも増えていると、谷古宇さんと言います。
「打ち上げる花火の規模にもよりますが、一つの目安として、半径20メートルの広さが確保できれば、それなりに見応えのある花火を打ち上げることが可能です。費用は約10万円から、主催者側のご予算に応じて、企画させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください」。
谷古宇 正啓 株式会社 山懸商店

花火打ち上げに関する仕事に携わり今年で19年目を迎える。草加市民花火大会、さいたま市花火大会、戸田橋花火大会をはじめ、打ち上げの現場や打ち上げのプランニングなどに参加。近年は現場から少し離れ、花火大会の主催者と現場を繋ぐコンサルタント的な立場として活躍している。
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