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達人 佐藤弘道さん
感性と身体能力に
磨きをかける
楽しく爽快な
子どもの外遊び
NHK『おかあさんといっしょ』で、10代目体操のおにいさんを12年間務めた佐藤弘道さん。現在は舞台やCM、振り付けなどで幅広く活躍するほか、子どもたちと指導者のためのスポーツクラブを立ち上げ、親子・幼児のための体操教室などを全国各地で実施。長年にわたり、体操を通して子どもたちを見つめ続けている“弘道おにいさん”に、子どもが外で思いきり遊ぶ楽しさや自然に触れる大切さについて、ご自身の体験も含めて語っていただきました。
親が先にやってみせれば 子どもも必ずやりたくなる
─男の子お二人の父親として、普段どのような外遊びをされているのか教えてください。
佐藤現在、小学生と中学生の子どもがいるのですが、この子たちが小さかった頃は、家の近くにある大きな公園でよく遊びました。自転車に乗る練習をしたり、木登りをしたりするのは、いつもその公園でした。アスレチックや陸上用400mトラックもあり、それを使って今も一緒に遊んでいます。都心で子育てする環境としては、家の近くに大きな公園や川原、野原など広いスペースがあるのが最適ですね。
子どもと遊ぶとき、僕はまず自分が先に木に登り、走ります。体を動かすことに興味がない子や木登りが怖い子であっても、それを見れば必ず「僕も登りたい」と思いますから。ただ、桜のように柔らかい木は枝を折らないように、といった注意だけは伝えています。
日頃から木登りをしたり走ったりしていれば体力がつき、手足も器用になるのです。そうすれば、ジャングルジムやうんていなどの遊具から落ちる危険が減りますよね。子どもたちが公園に行くのは、大抵親のいないときでしょう? ですから「木登りは危険」などと言わず、親がいるときに木登りの練習をさせておけば、逆に普段から安心できるのではないでしょうか。
自分の身を自分で守る力 “危険回避能力”が高まる
─外遊びのメリットにはどんなものが挙げられますか?
佐藤一番いいのは、毎日違う空気が肌で感じられることです。空や雲、夕陽を眺めたり、植物の葉に触れて花の蜜を吸ったり。吸ってみたら花の中に蟻が入っていたり(笑)。季節の移り変わりや自然の神秘を五感で感じていれば、感性豊かな子が育ちます。
─体操教育の専門家という立場から見たメリットはいかがでしょうか。
佐藤身体的には、加減せずに思いきり走れるというのが外で遊ぶ良さです。外で走ると爽快感がありますよね。鬼ごっこでもかくれんぼでもいいのです。小さな頃から思いきり体を動かし、ときには転んで、という経験を積んでおけば、事故や怪我などの危険を回避する能力が高められます。
少し成長して体重も増え、転んだとき咄嗟に手が出なければ、顔面を打ったり骨折したりという大きな怪我に繋がる可能性もあります。緊急に避難しなくてはいけないときに体がすくんで動かなければ、助かるものも助かりません。いざというときの一瞬の判断、自分の身を守る行動は本能的なものですから、教わってできることではありません。小さな頃から外で走り回っている子どもは、自分の身を自分で守る力が身に付きますよ。
転んでも痛くない芝生のような 安全な場所づくりが大切
─子どもが楽しく外で遊ぶためには、どのような環境づくりが必要でしょうか?
佐藤校庭の芝生化を進めているNPOの代表でニール・スミスさんという方をご存知ですか? その方に教えを受けた友人がいるんですが、彼にサポートしてもらい、今、僕の子どもが通う学校の校庭を芝生化しているんです。その校庭の芝生化は業者が作業するのでなく、子どもたちが自分の手で芝を植えていくのです。情操教育にもなるし、自分で植えれば芝生を愛する気持ち、大切にしようという心も生まれます。砂土の校庭の場合、砂が風に舞い教室に入ることもあれば、近隣の迷惑になることもありますが、芝生はその点、安心です。そして、芝生と砂土との一番の違いは、芝生の上なら転んでも痛くないということなのです。痛くないので、子どもたちは思いきり走ることができます。砂土より、芝生の校庭で走ったときのストライド(歩幅)の方が広いというデータもあるんですよ。砂土の校庭で転ぶと痛いから、子ども自身も走る際に無意識でストライドが狭まり、転ばないよう気をつけた上での全力疾走になっているのです。校庭を芝生に変え、子どもたちが加減せずに走れるようになれば、後々、グラウンドスポーツに強い子が増えていくのではないでしょうか。こういう安全な場所づくりは大切ですね。
都会と田舎で遊ぶ楽しさを どちらも体験できた子ども時代
─佐藤さんの子ども時代はどんな遊びをされていましたか?
佐藤母の実家が埼玉の秩父だったので、休みのたびに山に登ったり川で泳いだり、自然と触れ合って遊びました。お陰で、僕は生まれも育ちも東京ですが、都会育ちの方が嫌がる虫もまったく平気です。僕が主宰する体操教室の子どもたちを山へキャンプに連れて行くと、虫を怖がる子が多いんですよ。けれども、地球の歴史から見れば、人間より昆虫の方が先に登場しているんです! 自然の中では「虫の世界に僕たちが入れてもらっているんだよ。僕たちの世界に虫が侵入してきたんじゃない。逆なんだよ」と子どもたちに話し、諦めてもらっています(笑)。虫が嫌いなお母様方も、虫が出たときに子どもの前で騒がないよう気をつけていただければ、子どもが虫嫌いになることはないと思います。
そのほか、子どもの頃は近所の公園で遊んだり、学校の校庭で野球をしたり、工場を探検したり、ドロケイ(ケイドロ)、かくれんぼなどもよくやりました。人の家の屋根に登って、その隣のビルに飛び移って遊んでいたときは、親にものすごく怒られましたよ。自分の子には絶対にさせたくありませんね(笑)。
子どもに色々な体験をさせて 色々なことを感じて欲しい
─やんちゃなお子さんだったのですね。外遊びには危険も多いですが、怪我に備えて何か準備はしますか?
佐藤僕の家では特別な用意はしません。転んだら傷口を水道で洗っておけ、というぐらいです。とりあえずハンカチがあれば止血できますし、ティッシュがあれば傷口も拭けますから。
よそのお子さんを連れて自然の中でキャンプをするようなときには、安全な場所で遊ぶように気をつけています。あそこには大きな岩があって角が何カ所くらいだとか、水遊びをするなら水の深さや流れはどれくらいかとか、周囲の危険物をチェックしますね。
けれども、最初から怪我をすることを過度に怖がっていては、遊びに行きづらくなってしまいます。擦り傷ぐらいは怪我のうちに入らない! と考えて、外へ出掛けましょう。
僕は子どもに色々な体験をさせたいのです。自分でやってみないとわからないことって、いっぱいあるじゃないですか。花の匂いを嗅いだり、神社にある御神木のような大きな木に実際に触ってみたり。そうすることで、子どもは色々なことを感じるのです。その場所へ行って、何かをしたことによって、その子がどんな言葉を発するだろうというのが面白く、子どもへの興味は尽きません。
子どもの成長に大切なのは “目を合わせ、触れ合い、会話する”

─子どもを育てるうえで大切なことは何だと思いますか?
佐藤今は共働きの方が多いので、僕自身もそうでしたが、昔より子どもと関わる時間の少ないご家庭が増えているのではないでしょうか。だからこそ、子どもと遊ぶ機会があれば、それを大事にして欲しいのです。
効果的に体を動かすには、などと難しく考える必要はありません。何でもいいんです。親子で手を繋いで公園を歩くだけでもいいし、芝生の上でゴロンと一緒に寝転がれば話も弾みますよ。「目を合わせること、肌を触れ合うこと、会話をすること」。これが、子どもが成長するうえで最も大切なことだと思います。
僕自身はスキーや水泳、色々なことを父親に教わって育ちました。ですから、自分がしてもらったように、自分の子どもにもしていきたいですね。

─最後に、これから子どもと外遊びに行こうというお父さん、お母さんへのメッセージをお願いします。
佐藤 特別なことをしなければと構えなくてもいいのです。子どもが小さい間は、お金もそれほど使う必要はありません。親が一緒にいてくれるだけで、子どもは嬉しいんですよ。お父さん、お母さんと手を繋ぎ、真ん中で子どもが小さな段差を見つけてちょっとジャンプする、それだけでも楽しかったりするんです。もし何をして遊ぼうかと迷っても、子どもが引っ張ってくれますよ。
「遊び疲れ」という言葉がありますが、遊びで疲れないでどうするの! 疲れましょうよ! と思います。仕事で疲れているだけでは味気ないですし、次の日の仕事に差し障るなどと考えて遊んでいたら、それこそつまらないですよね。遊び疲れてこそ、リフレッシュできるのです。次のステップに進めるのです。ですから、休みは公園や川原などに出て遊び疲れましょう(笑)!
─引き締まった体に爽やかな笑顔、きびきびと軽快な動きは健在で、“弘道おにいさん”と呼ぶことに今もためらいを感じさせない佐藤さん。「今後やりたいことはたくさんあるけれど、子どもに関わる仕事はずっと続けていきたいです」と笑顔で語ってくださいました。

佐藤弘道(さとう・ひろみち)

10代目体操のおにいさん、タレント
日本体育大学卒業後、NHK『おかあさんといっしょ』にて体操のおにいさんを12年間務め、幅広い世代から高い人気を得る。現在もスポーツクラブの主宰、テレビや舞台出演など多方面で活躍中。

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