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達人  西塙征広さん  松本新さん(なんばパークス パークスガーデン事務局)
都会と自然の
心地いい関係
国内最大級の屋上緑化を実現した、なんばパークス内にある屋上公園「パークスガーデン」。再開発が進む先進都市に囲まれた緑のオアシスは、人、都市、自然が共存する新たなスタイルを提案し続けています。パークスガーデンの企画から設計、施工に携わり、現在も管理も行っている統括責任者である西塙さん、なんばパークスご担当者・松本さんの両名にパークスガーデンの取り組みについてお話をうかがいました。
地元の風土にあった植物からそれぞれの場所に適したものを選別
屋上庭園 パークスガーデン
なんばパークスの3階から9階にかけて総面積約11,500?もの広大な屋上庭園。約300種類・約7万株の花と緑が生い茂ります。地域に親しまれるオープンな公園として運営されています。入場無料。営業時間は10時00分より開園、閉園は3〜5階が22時00分、6〜8階が24時00分。
http://www.nambaparks.com/parks_garden/
─なんばパークスの3階から9階まで段丘状に緑豊かな空間が広がっており、たいへん驚いたのですが、パークスガーデンはどのような目的でつくられた公園なのでしょうか。
松本建物の屋上を緑化した公園はこれまでもありましたが、人々に活用され、親しまれている公園はあまりありません。パークスガーデンは、公園が公園として切り離された存在ではなく、樹木や花の自然と公園に面する店舗と広場が一体となって、多くの人に自然と接してもらい、豊かな体験や感動を提供したいと考えています。
─パークスガーデンの面積は約1万1500平米で、そのうち緑地は約5300平米を占めると聞きます。これだけ大きな屋上緑化による公園をつくるには、いろいろなご苦労もあったと思うのですが、パークスガーデン完成までの経緯などを教えてください。
西塙まず都会の真ん中に「里山」をつくりたいと思いました。関西の風土に合った多種多様な雑木が自然そのままの姿であることを目指しました。
苦労した点では、施工していくなかで、「土」の問題がありました。一般的に園芸に必要な土は1平米あたり比重1.6といわれ、この重さですと建物の上に敷くのは無理なので、人工軽量土を中心に土をブレンドして、約半分の比重0.8まで重さを落としています。ただ軽量化するだけではなく、植物の生育に適した保水性をキープしたまま排水性を高めたり、保肥力を高めたり、さまざまな調整をしています。
─現在、パークスガーデンでは約300種、約7万株もの樹木・草花を管理されていますが、どのような基準で選ばれたのでしょうか。
西塙屋上庭園ですので、風や光について充分な考慮をしています。上層階では風で花びらや葉が飛散してはいけないですし、下層階ですと周辺の建物の影で日照時間が短いなど、それぞれ場所の特性を考え、何を植えるかを検討しました。
松本またパークスガーデンは「華ぎ」「寛ぎ」「賑い」「癒し」の4つのゾーンに分かれていて、それぞれのコンセプトに合わせて樹木・草花が選ばれています。
生きた自然空間を保つように管理は最少限に
─常駐の管理スタッフがいらっしゃる庭園は珍しいのですが、スタッフの方は全員で何名ですか。
西塙現在、8名の管理スタッフがいます。1日に4名が作業に取りかかるシフト体制となっています。
─これだけ植物の種類も多いと、スタッフの方は大学や専門学校などで学んだプロフェッショナルなのでしょうか。
西塙いいえ、未経験者ばかりです。植物が好きだという人たちが集まっています。なぜ未経験者なのかと言えば、パークスガーデンの管理は他とは違いすべて無農薬なので、ここならではの管理方法を学んで欲しいからです。ヘタに知識がある人よりも、知識はなくても植物が好きな人の方が向いています。
個々の作業方法は多少バラついていても管理のビジョンをしっかりと理解していればいいと思います。
─パークスガーデンにおける管理のビジョンを聞かせてください。
西塙無農薬というのは里山のように自然環境に近い状態で植物が育つことを基本として考えているからです。植物は天候などの自然状況によって日々、姿をかえますので、常に植物の声に耳を傾けてあげる必要があります。なので過大なせん定は行いませんし、虫や落ち葉なども訪れた人が不快に思わない程度にあえて残したりしています。
庭園には植物に誘われて野鳥たちも飛来します。メジロ、ヒヨドリ、セキレイなどが確認されています。またハスなど水生植物の池にメダカを10匹ほど放したら、100匹以上に自然増殖しました。いろんな野鳥や昆虫が来たり、庭園内で生態系が形成され、季節ごとに賑やかな「生きた自然の空間」になればいいと思います。
雑草をすべて手で取ったり、作業としては時間がかかり過ぎているかもしれませんが、しっかりと植物と対話しながら管理を行っています。
人が集い、語らうコミュニケーションの場に
─庭園を管理しているところをお客様に見せないのが一般的なのですが、パークスガーデンでは、なんばパークスの営業時間内に植物の管理を行うことで管理スタッフの姿を見せるようにもしていますね。
松本お客様の中には家庭でガーデニングを楽しまれている方も多く、作業しているスタッフにガーデニングの疑問やアドバイスを求めて話しかけてきます。何度かリピートされて、お互いに顔見知りになったという話も聞いています。
西塙お客様に質問されることはスタッフにとってもいいことだと思います。自分で経験した「生きた話」もできるし、また、お客様からの質問でわからない点があれば、それをきっかけに自分で調べ学ぶこともできます。お互いにプラスです。
松本パークスガーデンのオープン当初から市民参加型のガーデンということを掲げていますし、お客さまへのホスピタリティとして、訪問者に楽しんでもらうイベントやセミナーを積極的に開催しています。季節ごとに行う「寄せ植え体験」(予約制)、平日のみの開催(予約制)ですが月曜日から金曜日まで午後、スタッフがガーデン内をご案内しながら植物の話やガーデニングのポイントなどを説明する「ガイド案内」などを実施しています。また「アーバンファーム」という都市型貸菜園も公募した会員の方が野菜づくりも楽しんでいます。そんなイベントやセミナーのお知らせを季刊紙「花歩記(はなあるき)」を発刊してガーデンの情報を定期的にお伝えしています。
仕事の休憩時間に植物を眺めながら寛いでいただくのもいいですし、植物について学ぶ場としてでもいいです。とにかくパークスガーデンは、いろいろな人が集まり、人とのコミュニケーションの「場」として活用していただきたいですね。
これからの公園管理のスタンダードにしていきたい
─パークスガーデンの今後の展望などがあればお聞かせください。
西塙公園は身近な存在であり、安心・安全な場所。でも、これまでの公園には、しっくりとくるものがありませんでした。どうしても公園が完成したらそのままで、管理はあまり重要視されていません。植物は生きているのですから、公園は完成してからが本当のはじまりです。今回、パークスガーデンを手がけて、ようやく作り手からの提案ができたと思います。いま私たちが行っている管理方法が、これからの公園管理のスタンダードになっていけばいいと思います。
最大規模の屋上緑化といっても地図上で見たら「点」でしかありません。これから、もっと都市内にパークスガーデンと同じような緑化庭園が増えて、「点」と「点」が繋がって「線」へ、さらには「面」になるといいですね。
─最後に読者の方がご家庭で植物を育てる際の簡単なアドバイスを教えていただけませんか。
西塙自分が好きな植物を育ててみましょう。最初は失敗しても、それが経験になっていきます。とにかく毎日植物を観察することで、何をすればいいのかわかると思います。
『パークスガーデンのゾーンコンセプト』
パークスガーデンは独立した存在ではなく、樹木や花の自然と、パークスガーデンに面する店舗が一体となって、訪れた人々に豊かな体験や感動を提供する場となっています。そこで、「華ぎ」「寛ぎ」「賑い」「癒し」という各ゾーンのテーマを設定し、テーマに沿った演出を行っています。
華ぎゾーン
1年を通して様々な花が咲き、人々を華やかさで演出するゾーンです。ひとたび歩けば四季を香りや花で感じることができるでしょう。
1階/エントランスの緑
3階/アプローチの緑
4階/流れ落ちる池周辺
寛ぎゾーン
春の芽吹き、夏の深緑、秋の紅葉など、季節により姿を変える寛ぎゾーンは、訪れるたびに新しい発見を提供する場となります。
3〜6階/西側の緑
5階/せせらぎの杜
6階/東側の緑
7階/花水木の広場
賑いゾーン
リズミカルに配植された常緑樹が賑やかな広場を演出します。また、円形劇場ではライブパフォーマンスが彩りを添えます。
8階/円形劇場
癒しゾーン
パークスガーデンが拡張され、平面的な広がりのある屋上公園。約88種類、約3万株の草花が植えられ、“癒し”を感じさせる空間を演出します。また遊具のある広場やアートベンチを設置し、より親しみやすい憩いの場となります。
9階/屋上公園
『庭園に隠された管理の秘密』
パークスガーデン内を案内していただき、庭園のあちらこちらに管理の秘密が隠されていました。その一部をご紹介したいと思います。
管理に使う7つ道具
管理で使う主な道具を紹介します。右上にある白とオレンジの機械はブロワーといい、風を送って地面に落ちた枯れ葉を吹き飛ばします。設定を変えれば掃除機のようにゴミを吸い取ることもできます。なお、この発動機に使う油は植物分解の油を使用しています。
そのほか、ジョウロ、各種ハサミ、ヒモなど、スタッフの皆さんはさまざまな道具を使い分けながら、日々、植物の世話を行っています。
植物に隠された秘密の通路
里山を思わせるパークスガーデン。植物の間に石や切り株などが配置され、野趣溢れる雰囲気を演出しているようなのですが、じつは、この石や切り株は計算されて配置されているそうです。水やりや剪定など管理作業を行う時、この石や切り株の上を歩くと植物を踏まずに作業ができるのです。
施工時、西塙さんご本人が設置。西塙さんの歩幅に合わせたため、女性スタッフには間隔が広過ぎるのだとか。
小さな生態系で植物を育てる
通路沿いに涼やかさを演出する水辺。向かいの店舗からも借景として目を楽しませています。このハスの花が咲く水辺にはメダカが放流されています。最初10匹だったメダカが100匹以上に繁殖。
特別な世話などは行わず、ビオトープのように小さな生態系で植物やメダカの生育を行っているそうです。
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