総合地所企業トップ 住まいを買いたいトップ プロフィール変更 退会手続き お問い合わせ
ルネ倶楽部

「ルネシリーズ」の総合地所が運営する会員システム

ご入会はこちらから
デザイン学 ルネスタイル ルネの管理 賢いマンション購入法 暮らしの雑学王
達人に聞く暮らしのエッセンス
Essence of living 暮らしの雑学王トップへ
達人 藤原きよみさん
美しい海を
未来にも
巨大魚を求めて世界の海をめぐってきたプロのフィッシャー・藤原きよみさん。現在は、釣りだけではなく海の環境問題にも積極的に取り組まれ、大阪で環境カウンセラーとしても活躍されています。釣りを通じて、海を見つめ続ける藤原さんに、海の魅力、そして現在、海が抱えている問題についてお話をお聞きしました。
釣った魚を持ち帰ったら 家族が喜んでくれた
黒潮にのってやってくるシイラ。沖縄では万力、ハワイではマヒマヒと呼ばれ、釣っても食べても美味しい夏の魚の代表。─まず藤原きよみさんが釣りを始められたいきさつなどを教えてください。
藤原じつは釣りを始めたのは遅くて、20歳ぐらいからです。釣りよりも先にスキューバダイビングが最初になります。ライセンスを取得して友達といろいろな海に出かけました。そのスキューバで行った旅先の淡路島で、初めてアジ釣りを経験しました。おもしろいように釣れたのが楽しかったのですが、釣りを行っている時、ふと竿先にある海中でアジが群れで回遊しているイメージが浮かんできて、その瞬間、釣りっておもしろいものだと思ったのです。その時は小アジが大漁で、帰りは発泡スチロールの箱のなかにいっぱい小アジを詰め込んで電車で帰りました。いま考えると若い女の子が2人で魚を持って電車に乗ってるなんて変な光景ですよね(笑)。それで家にアジを持って帰ったら、母親がすごく喜んでくれて、その晩の食卓はアジ料理づくし。人の喜んだ顔も釣りが好きになった理由でした。そこから、どんどん釣りにのめり込み、いろいろな場所に行きました。そして何回かして遊漁船での釣りにチャレンジしたのです。当時は女性で釣りをしている人などあまりおらず、遊漁船を予約した時点でも珍しがられましたが、船を出していただき、船長さんから丁寧にいろいろと教えてもらいました。その時の経験が、後に私が遊漁船業をはじめようとしたきっかけの1つになったのかもしれません。
釣りがタダでできると思い 釣り具のイメージガールに
パプアーニュギニア奥地のジャングルで釣れた銀色の鱗が美しいバラマンディ。体長80センチ、これでも淡水魚。─釣りの世界にどんどん没頭していくわけですが、釣り具メーカーのイメージガールになったのはどうしてですか?
藤原95年に釣り具メーカー「シマノ」のエクセージイメージガールになったのはですね、釣り具メーカーであれば、タダで釣りが出来ると思ったからなのです(笑)そんな理由でオーディションに応募して、水着審査とかもあったりしましたが合格しました。でも実際のイメージガールのお仕事では、テレビの釣り番組に出演したり、キャンペーンで青森から九州まで全国を巡り、実際に釣りをすることはありませんでした。でも仕事で訪れた先々で、聞かせてもらった釣りの話に、さらに釣りへの興味が湧きました。そのお仕事での稼ぎはほとんど釣りに注ぎ込み、釣り三昧の生活がはじまります。海外での釣りもこの時期からです。
─経歴を拝見しますと、アラスカ、アマゾン、モルジブ、パプアニューギニアなど、秘境と呼ばれるところに出られていますね。
藤原開高健さんの釣りエッセイ「オーパ!」の影響もあります。あの本を読んでアラスカで巨大ハリバットを釣りに行きたいと心動かされました。日本人女性で初めて足を踏み入れたというアマゾン奥地に行ったり、ほとんどが数カ月におよぶ放浪の旅でした。
ついに船まで購入し シーキャッツ号でガイドを
─先ほど遊漁船についてのお話の中で、ご自身で遊漁船を経営されるようになったということですが。
藤原99年にフィッシングボートのCMキャラクターというお話が来まして、そのギャラを元にディーゼル船を購入しました。そして船舶免許、大阪府に遊漁船業認定も取得して、「シーキャッツ」という遊漁船を大阪難波の運河で始めたのです。最初は遊漁船の女性船長はほとんど居なかったので、同業からはあまり好意的には見られていなかったかもしれませんが、毎日のように1日3〜4組の釣り客を案内して、その合間には、つり雑誌の原稿を多い時は4本ぐらい抱えながら仕事をしていたら、周囲も認めてくれたようです。その頃は女だてらに小さなボートで紀州半島で巨大カジキを釣り上げたり、いろいろと話題になったりもしていました。「シーキャッツ」では釣り大会を開いたり、積極的に釣りをアピールしたら、釣りに興味をもってくれた女性も増えてきて、そんなお客さんたちは船の名前から、「キャッツガール」なんて呼ばれていました。多い時には16人ぐらい居ました。
海を知っているようで 知らなかった
近年はトークイベントなどで司会やパネラーとしても活躍される。 ─遊漁船「シーキャッツ」は順調にお客さんを増やしていたようですが、現在、休止されたのはなぜでしょう。
藤原大阪湾でもいろいろな種類の魚釣りを楽しむことができたのですが、突然、魚が釣れなくなったのです。最初はなぜなのか原因がわからなくて、遊漁船業の組合や大阪府立水産試験場(現在の名称は大阪府環境農林水産総合研究所)など、各方面に尋ねたところ埋め立てが原因で潮の流れが止まってしまったらしいのです。海のことは釣りを通して知識があると思っていたのですが、じつは海の環境について何も知らないことに気付き、勉強しなければいけない気持ちになりました。そして環境のことを調べていくうちに、遊漁船業のあり方に疑問が生じて5年間営業してきたチャーターボート&ガイドに休止符を打ちました。
海を取り巻く環境は 人間でいえばメタボ状態
今回取材にご協力いただいた海の駅「ニューポート江戸川」の浅見さんと記念撮影。何度かフィッシングで同行したこともあり、取材後には近況報告など話がつきない。 ─現在は海の環境について活動されているわけですね。
藤原はい。大阪府環境農林水産総合研究所の水産センターの協力のもと、大阪湾の生物や魚種の産卵行動や繁殖などを学んだり、環境庁の環境カウンセラーに登録したりしています。海の環境を調べていくと、じつは海だけの問題ではなく陸地のことにも関係してくるのです。落葉樹で覆われた森、山からは、様々な栄養素を含んだ成分が雨や川を通じて流れ出し、それが海に辿り着きます。それが海に居る生物たち恩恵を与え、自然のなかで循環されていることを知りました。いま、その自然環境の循環もうまく機能しておらず、人間でいえば血流が血管で止まってしまうメタボ状態のようなものです。最近、海面はきれいになったように見えるかもしれませんが、海の底が汚染されている事例が増えています。そんな環境では海の生態にも変化を与え、魚を食す私たちにも影響が及びます。
まずは海を知る 生物と触れ合うことから
─海の環境を守るために、私たちができることは何かあるのでしょうか。
藤原まずは海のことを知ってもらいたいです。お話ししたような環境問題もそうなのですが、海ってどういう場所なのか知ってほしいです。これから夏になるので、まずは海で遊んでください。おすすめは干潟や磯遊びです。磯であれば岩を起こしてみると、岩の裏にはヤドカリ、カニ、貝、海藻など、たくさんの生物が棲息しています。捕まえて透明な容器に入れて観察したり、写真に撮って家で調べてみるなど、実際に触れ合います。そして観察が終わったら元の場所に逃がしてください。触れ合うことで生き物を大切にしようという心が芽生えたり、その住んでいる環境について考えるきっかけになるのではないでしょうか。私も小さい頃、父親に海へと連れていかれてアサリなどの貝を獲ったことをよく覚えています。海での経験は親子の素敵な思い出にもなることでしょう。
─海で遊ぶ時の注意点などはありますか?
藤原夏場は陽射しが強いので、帽子、サングラス、日焼け止めなど、日射病などにならないような対策が必要です。また海だから履物はサンダルでいいと思いがちですが、岩場はとても滑りやすいので長靴を履いて、軍手もあった方がいいですね。
私のテーマは 三世代先の海いつまでも
大阪湾カルタはイラストも文面も学生によって作られた。(企画制作:大阪湾環境保全協議会) ─藤原さんの今後の活動について考えられていることがありましたら。
藤原現在、私は「三世代先の海いつまでも」をテーマに活動をしています。自分の子ども、孫の世代にもいまの海を伝えていきたい。いろいろな生物の多様性を守りながら、これ以上に状況が悪くならないようにと思っています。また繰り返しになりますが、たくさんの方に海と接して欲しいですね。昨年、インターネットを通じて、海で遊んだことのない人を対象に、海釣り公園に招待するというイベントを行いました。釣り具、ライフジャケットなどの道具一式を提供するので、体1つだけで来てくださいと募集したところ、たくさんの方々から応募があり、イベントは大盛況でした。また機会があれば開催したいですね。それに、大阪で行われる環境フォーラムやイベントなどでは「大阪湾カルタ」といって、海にまつわる内容のカルタで遊びながら海のことを知ってもらうような試みもやっています。
島国の日本だからこそ 環境にやさしい製品でリーダーに
─藤原さんの今後の活動について考えられていることがありましたら。
藤原今年は「COP10(国際生物多様性年)」です。海に囲まれた日本だからこそできる環境対策があると思っています。物づくりに優れた技術立国なわけですから、日本が率先して環境にやさしい製品を開発して、それを世界に広めたらいいと思います。とにかく三世代先の海がずっと豊かであるように行動していきたいですね。
藤原きよみ(ふじわら・きよみ)

プロフィッシャー、環境カウンセラー。
雑誌、新聞の釣りリポートや、テレビの釣り番組で活躍し、大阪湾でシーキャッツ号のキャプテン、ガイド業を運営。世界の秘境で巨大魚を狙うなどアクティブな活動を続ける。現在は環境カウンセラーとして、海の環境問題を中心に取り組む。

暮らしの雑学王トップ