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上手にリフォームしていけば、
住まいは、みごとに
生まれ変わります。
子ども部屋がほしい、収納スペースを増やしたい、明るく楽しいキッチンを…。リフォームへの夢は人それぞれですが、ちょっとした工夫とアイデア次第で、大がかりな変更をしなくても快適な暮らしが実現できます。マンションにおけるリフォームの考え方や提案などを一級建築士の天野 彰さんに伺いました。
住み手の関心が高い
「リフォーム」の定義とは
住まいのリフォームについて関心のある方が多く、「リフォームと増改築は、どこが違うのですか?」という質問をよく受けます。「増改築」といえば、手狭になった家に、子ども部屋をつくったり、廊下をつくったり、または平屋だった家に二階を乗せるといった大掛かりな工事、「リフォーム」は、キッチンのシステムを入れ替えて、グレードアップするなどの手軽な工事といったイメージがあります。 壁紙を張り替えることを「リフォーム」だと思っている人も いるようですが、それは、家具の位置を変えたり、カーテンを取り替えたりするのと同じで「模様変え」です。厳密な定義はありませんが、建物の構造をいじることなく、見た目の変化や気分転換をはかるのが「模様変え」、その規模が大きいものが「リフォーム」、そして規模や構造までを替えることを「増改築」と理解しておけばよいでしょう。
マンションのリフォームは
どこまで可能か?
マンションのメリットは、駅から比較的近いところに住める、集合住宅ではあるけれど住み手のプライバシーが確保できる、そして、エントランスや中庭、外廊下など共用部分の管理と手入れに関しては専門の会社が行うため、建物の維持についての細々とした心配が不要など、「コンビニエンス・ハウス」としての利便性を備えていることです。また、夏は涼しく、冬は暖かいといった住環境としての性能も魅力です。反面、余っている土地に部屋を増築することが可能な戸建住宅とは異なり、限られたスペースのなかで、時間の経過とともに、少しでも快適な生活を維持していくためには、それなりの工夫やアイデアが重要となります。ここに、リフォームを考える必要性が出てきます。しかし、賃貸マンションの場合には、所有権がないわけですから、壁、床、天井はいじることができず、また、分譲マンションの場合でも、外壁回りや玄関ドア、サッシ、バルコニー、室内でも、構造躯体や配管設備にからむ部分を変えることはできません。こうした制約のなかで、どのようなリフォームが可能なのか、いくつかの提案を交えながら、考えてみたいと思います。
子どものためのスペースは、 個室の確保だけに限らない
リフォームに関するテーマとしては、「子どもの成長にともなって、子ども部屋がほしくなった」という話が多いようです。
しかし、私は、住まいのなかで不要な空間こそ、子ども部屋ではないかと思っています。たいていの家庭では、「子どもの勉強のために」と、立派な子ども部屋を確保しようとしますが、子どもが個室を必要とするのは、小学校の高学年から家を巣立つまでの限られた期間、長いライフサイクルのなかのたかだか10年間くらいです。 子どもたちが独立し、家を出た後に残るのは、物置同然の空き部屋といったケースが多く見受けられます。
こうしたことを防ぐには、単に部屋を増やすのではなく、一つの部屋を二つの空間として活用する発想が大事になります。例えば、6畳の部屋を二人の子どもが無理なく共有する場合、中央に2段ベッドを置き、両側から使えるようにします。さらに木製パネルなどで、上下互い違いの壁をつくれば、融通性に富んだ間仕切りができ上がります。机や本棚を置いても、さほど狭苦しさを感じません(図1)。
 二人の子どものどちらかが、独立したときに2段ベッドを撤去するだけで、簡単にもとの6畳に戻すことができます。
キッチンを家の中心として、
オープンなスペースに
昔は、キッチンが奥様のアトリエのよう存在で、「主婦の聖域」という時代がありましたが、今やキッチンは家の中心となりつつあります。家族の生活時間がまちまちなため、それぞれが、好きな時間に勝手に煮炊きして食べるケースも増えています。
こうした場合には、リビングの真ん中にキッチンを置き、カフェテリアの形態にすることをおすすめします。私はこれを「リビング・キッチン」と呼んでいます。家族がそろって食事をするという場だけではなく、親しい友人や仲間たちを招いて、ホーム・パーティを開く楽しみも生まれてきます。
マンションの場合、排水や排気の位置を変えることは難しいとされています。配水管や排気管が建物全体で共通になっているからです。ただし、キッチンの配水管は比較的細いため、シンクを移動する場合、新しいシンクから新たに配水管を延ばして、従来のシンクの排水口につなぎ、延ばした部分の排水勾配さえ確保できれば問題はありません(図2)。
天野彰さんの自宅でも「リビング・キッチン」を実践。
いつも人が集まり賑やかに。
収納は、モノではなく、
家族の生活行動に合わせる
リフォームにおいて、多くの人が収納スペースの確保を要望されますが、本来の収納とは、ほしいところでほしいモノを取り出せる「収出」が理想です。
使いやすい収納とは、家族の生活行動に合わせて、スペースがうまく配置されているかどうかです。つまり、モノが主ではなく、人の行動が主であり、「生活の間取り」と「収納の間取り」がうまく一致することがポイントになります。
まず、家族が家のどこで何をするか、そこで必要なモノは何かを考え、その頻度を考えます。その上で収納する場所を探します。
押し入れのように大きければよいというものでもありません。いくら奥行きが深くても、モノを次々に 押し込め ば、必要なときになかなか出てきません。また、床下収納や屋根裏収納のように、無理な姿勢による収納は、年老いてからが容易ではありません。
さらに、床から天井までの立体収納にしても、脚立を利用しなければならないような高いところは、実際にはあまり使われず、結局はモノが床に置かれはじめ、ついには足の踏み場もないほどあふれることになってしまいます。
二重構造の発想によって 洋風リビングに畳のスペース
マンションのように全体が限られたスペースでの生活では、「洋間はつぶしたくないが、畳の部屋がほしい」というご要望も多く耳にします。私たちの生活が洋風化しているなかで、畳の部屋には、日本人だからこそ味わえる心理的な安らぎの効果があります。
若いときにはあまり感じませんが、年齢をかさねるにしたがって、畳が恋しくなるものです。このようなときは、何も床の間がついた立派な和室のイメージにとられるのではなく、必要に応じて洋間を和風のスペースとして使えるような二重構造にすればよいのです。例えば、リビングの壁に、蝶番とパネルを利用して「パタン」と下ろせば、畳床が出現する仕掛けをつくります。壁一面に仕掛けをつくるのが難しい場合には、出窓や収納棚の下部に折りたたみ式の畳床を収納する方法もあります(図3)。そのときどきの必要性と都合に合わせて、空間を使い分けることも、マンション・ライフを楽しくする秘訣といえます。
夫婦の寝室の真ん中を ふすまや引き戸で仕切る
一つの部屋で寝起きをしているご夫婦も多いと思いますが、長年連れ添った男女だからこそ、「夫婦は一つ、一心同体」が大いなる誤解になりえるのです。起きている時間や寝る時間の違い、夫のいびき、さらにクーラーの温度調整程度の話で、夫婦関係がこじれる場合もあり、笑い話で済まされない事態が生じてしまいます。年をとるとともに、時間差や体感温度差が出て当たり前です。だからといって、夜中に異変があっても気がつかない別々の部屋で寝ることをすすめているわけではありません。こうした場合には、例えば、寝室の真ん中をふすまや引き戸で仕切ることを提案します。いつでも開け閉めが可能な引き戸があることで、音や光を遮断し、温度の調節をしながらお互いに安心感が増しますし、異変にも対処ができます。
リフォームは住む人の生活を 明るく、元気にしていく
リフォームによって家が快適になれば、住む人の気分や家族関係、そして人生までもが大きく変わってきます。つまり、住まいのリフォームとは、住む人の生活そのものを明るく、元気にしていく行為なのです。
天野 彰(あまの・あきら) 1943年愛知県岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。
大阪万博で「生活産業館」のプロデュースを始め、建築家集団「日本住改善委員会」を組織し、生活に密着した住まいづくりや、リフォームまでを手がける。「住まいと建築の健康と安全を考える会」を発足、テレビや講演、新聞、雑誌など広く活動している。
著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)
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